『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密』を読んで、勉強になったことを簡潔にまとめます。

勉強になったこと

神の見えざる手

投資家と企業はどちらも自己の利益を追求しているが、ちゃんと良い会社にしかるべきお金が流れ込む。
まるで神様が天上から操ったように、ベストの結果が市場を通じて成し遂げられる。
こんな市場の妙技をアダム・スミスは『神の見えざる手』と呼んだ。

r>g

rは資本収益率、株式や不動産への投資のリターンを示す。
gはグロースで経済成長率。
ピケティという経済学者が示したこの不等式は、経済成長より投資で儲かるペースのほうが早いという主張。
投資ができるほどの金持ちは、ますます金持ちになる。
貧富の差を生むことになる。

経済が成長する仕組み

銀行が(準備金を残し)お金を貸す→借りた人が別の銀行に預ける→その銀行がまた別の人に貸す→借りた人が別の銀行に預ける
これを繰り返すことにより、市場のカネは増える。信用創造といい、銀行のネットワークの重要な役割である。

ネットワークのどこかで不信感が生まれると、信用創造が滞り、カネが増えなくなる。
リーマンショックではまさにこれが起きた。
その先に待つのは、経済活動すべてに破滅的なブレーキがかかるパニック(恐慌)。
信頼が消えれば経済は窒息する。

相続税がかからない国

相続税がないと、貧富の差がそのまま温存されてしまう。
相続税がゼロなのは、シンガポール、香港、スイス、モナコ、オーストラリア、マレーシアなど。

オフショアも貧富の差を生んでいる

オフショアは税金から逃れられる場所。租税回避地。タックスヘイブン。
大金持ちや悪の組織のダーティーマネーが、何百兆、何千兆円もあるといわれる。
最大のオフショアはイギリスにある。
お金は実質的にイギリスの支配下にあるが、名目上は他の島々に飛ばされる。
書類上にしかない会社を作って、そこに金を流し込む。
名目上はイギリスではないので、イギリスの法律は及ばない。
イギリスの経済を支える存在で、誰も手を付けられない。

感想

お金のことを学ぶクラブで、男女2人が変わった先生から学ぶというもので、小説としても楽しい。
甘酸っぱい内容でありながら勉強にもなり、一気に読み通せた。