2017年11月30日発行の佐藤航陽著『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』を読んでみました。
経済に関する本ということで難しそうに感じましたが、読んでみるとじつにわかりやすい。
あっという間に読み終わり、多くの気づきを得ることができました。
この記事では、『お金2.0』を読んだ感想や、良かったところを簡単にまとめたいと思います。
ヒットするサービスの法則
まずこの本の最初の部分では、著者の佐藤さんが経験を通して得た、ヒットするサービスの法則を教えてくれます。
ヒットするSNS、プラットフォーム、会社など、成長力のあるものには共通点があるという話なんですね。
共通点は以下の5つ。
- インセンティブ(明確な報酬がある)
- リアルタイム(時間による変化がある)
- 不確実性(運の要素を含む)
- ヒエラルキー(秩序が可視化されている)
- コミュニケーション(参加者の交流がある)
うまくいくサービスにはこれらが揃っているんだそうです。
この5つ、たしかに大事ですよね。
たとえばツイッター。
ツイートに「いいね」されたり拡散されると嬉しいですよね。(インセンティブ)
タイムラインは刻一刻と変化します。(リアルタイム)
意外なツイートが伸びたりしますね。(不確実性)
フォロワー数で秩序が可視化されています。(ヒエラルキー)
参加者の交流は、リプやDMで自由にできます。(コミュニケーション)
成長するサービスを作りたいなら、この5つを押さえる必要があると学べました。
ちなみに、追加の2つの条件として、
- システムの寿命を考慮しておく
- 共同幻想が寿命を長くする
というものもあるそうです。
どんな良いサービスでも飽き(寿命)が来ますから、そうなったときに自然と移行してもらえる器を用意しておくの、大事ですね。
それから、参加者がコンセプトや思想を共有していると、サービスの寿命が長持ちする。
私もサービスの開発をしているので、じつに勉強になりました。
経済は自然界と同じ構造?!
著者によると、上記の「成長するサービス」の特徴は、あらゆるシステムに見られるらしいんですね。
ヒットするサービスだけではなく、企業、国家、経済、生命、自然界、すべてに見られると。
一見、飛躍しているように感じますが、読んでみると納得してしまうんです。
著者の佐藤航陽さん、ものすごく頭いいですよね。
現代の資本主義も、じつは自然界の模倣だったんだと、考えさせられます。
まぁ正直なところ、わかったようなわからないような、というところはありますが^^;
資本主義から価値主義へ
現在ある程度うまくいっている資本主義ですが、限界もきているということなんですね。
資本主義はお金になるものしか評価できないと。
たしかにそうですよね。
たとえば個人の資産を表わすときに、性格上の長所とか、良い友だちの人数とかは考慮しません。
そこで著者は、これからは資本主義から「価値主義」に変わっていくだろうと述べています。
直接お金では表わせない価値が重視される時代がくると。
しかも時代は、ビットコインに代表されるように、分散した経済システムが作られるようになっています。
円やドルといった法定通貨に縛られる時代はもう終わりつつあるんですよね。
経済は国家が作って管理するものではなく、自分で作ることができる時代になってきているんだそうです。
そのあたりはこの本で詳しく説明されているので、ぜひ読んでみてください。
とにかく、これからの時代は「価値」が重要。
お金に換算できない共感や信用、社会貢献などがものを言う世界になるそうです。
価値を最大化しておけば、いろいろな方法で好きなタイミングで他の価値と交換できるようになっていきます。
著者はこう断言しています。
自分の価値を高めておけば、それをお金に換えることもできるし、別の価値あるものに交換することも自由にできる社会ということですね。
なかなか抽象的でわかりにくい話ですが、夢のある話です。
そういうわけで、これからの時代を生きていくための秘訣を、著者は次のようにまとめています。
あくまで重要なのは自分自身と向き合った上で、自分の情熱を発見し、自らの価値を高めていくことだと私は思っています。
情熱を発見し、価値を高めていく。・・・考えさせられます。
もう「価値主義」は始まっており、一部の優秀は人たちは、自分の価値をお金や他の価値あるものに自由に変換できているように思います。
仮想通貨の発達などを考えると、これからその流れは私たち一般人にも及んでいくのかもしれませんね。
まとめ
今回は、『お金2.0』を読んで感じたことを、とりとめもなく書いてみました。
この記事を読んだだけでは理解できないと思いますので、ぜひ書籍を手にとってみてくださいね。
仮想通貨など現代のお金事情だけでなく、将来の国家の姿や働き方、夢の実現についても多くの発見があると思います。
私自身、この本を読んでかなり視野が広くなった気がします。
そして、「自分の価値っていったいなんだろう?」と改めて考えさせられました。