みなさんは、「今まさに焼きたてほやほや」状態のフランスパンをご覧になったことはありますか?
以前パン屋に勤めていたとき、職人さんが丹精込めて仕込んだ焼きたてフランスパンに毎日接していましたが、焼きたてのフランスパンが発する音や香りって本当にステキなんです。
上手に焼けたフランスパンは、オーブンを開けた瞬間からパンの表面で「パチパチッ」という音がします。
この音は数十秒ほどでおさまってしまうもので、その可憐さから「天使のささやき」「天使の拍手」と呼ばれているそう。
オーブンを開けた瞬間に広がる小麦の香ばしい香りと、心ときめく天使のささやきは、フランスパンならではの楽しみです。
外はパリッとしているのに、中はしっとりふわっふわ。
そんな理想のフランスパンをおうちで安く作れたら…というのが今回のプロジェクトです。
まずは初心者向けレシピで初挑戦してみました。
いつものパン作りと同じ感覚で、特に何も考えずに挑んだわたし。いざオーブンを開けてみると、シーン。。見事に押し黙っている天使たちと、潰れたラグビーボールみたいな色黒フランスパンが待ち受けていました。
ほんと、空気の抜けたラグビーボールのように高さがないぶん横に広がっていたので、焼き過ぎとかいう以前の問題なのでしょう。
フランスパンってものすごい奥が深いパンなのだということを身をもって痛感した日でした。
が、立ち直りの早いわたしは、ラグビーボールをシナモンシュガーラスクに変身させておいしくいただきました。
それからというもの、フランスパン作りの動画を検索してプロの技やコツを研究し始めたのです。
そこで調べていてわかったことをまとめますと…
おいしいフランスパンの特徴とは?
- きれいに開いたクープ(切り込み)。※エッジがきいていれば最高
- 中に大きめの気泡が入っていること
- オーブンから出したての時に聞こえる「天使のささやき」
- 横広がりではなく高さが出ていること
これらはすべて工程の正確さや材料の配合にかかっています。ほんとうに奥が深い。
そして第2回目。全ての工程に細心の注意を払い、1つのミスも許されない覚悟で挑みました。
オーブンを開けると…パチパチッ。パチッ。
ささやかれたー!!
ほんとに感動しました!芳しい小麦の香りもたまりません。フランスパンってとっても手間がかかるんですが、そのぶん愛しさが倍増です。

クープと呼ばれる、この切れ込みも一応ちゃんと開いてくれました。
エッジがきいたクープが成功の証。
いかがでしょうか、この微々たるエッジ。きっと心のキレイな方には見えるはずです。
次回の課題は、気泡です。写真にはありませんが、切ってみるとやはり気泡が小さくてキメが細かめなのです。
気泡を作るコツのついてはまた調査してゆきたいと思います。
そして今回驚いたのは、フランスパンって材料費がとっても安い!ということです。
60円ほどで中型フランスパンを2本作ることができました。
主婦の味方ですね!時間や手間を惜しまない節約家の方にぜひオススメしたいです。